【第1回】「メリット・デメリット論」や「素材比較」が顧客を逃がしている

情報の量に頼らず、吸引力のある「魔法のコトバ」を紡ぎ出せ。

「過度な情報に集客効果はない」というのが、経験則からいえる実感です。
むしろ失敗談のほうが、効果的な場合すらあります。
「あっ、この店は正直だな。自分に対してウソをつかないな」
と捉えてもらえるからです。
   
良くありがちなのは、歯科医院のサイトなどで、ジルコニアやセラミックなどの素材比較を並べているページ。
あるいは、入れ歯とインプラントのメリット・デメリット論。
それ、本当に必要な情報ですか?
自分なら、その情報を仕入れ、身近な歯科医院で実践します。
あなたの医院へは、まず、行こうと思いません。その必要が考えられませんから。
   
そこで問われるのが、来客や問い合わせに通じる「魔法のコトバ」でしょう。
取材を通じて個人的に感心した例を、いくつかご紹介します。
もちろん、これらがどの同業でも通用するとは限りません。
   
歯科医院で使う素材
   
◆ケース1「心のオシャレが歯を健康にする」
〜定期検診のリピート率が高い歯科医院のコトバ〜
   
人は、他人から見られることで、美しく魅力的になろうとする。
家の中に閉じこもっていると、身なりや健康への関心が、どんどん薄れていく。
歯も同じこと。
医師や衛生師へ定期的に歯を見せることで、口内のオシャレ心が育つ。自分からメンテナンスに取り組むようになる。
実は、この「主体性」こそが健康を支えるのであり、定期検診の場で特別なことをするわけではない。
当院は、どうやったらオシャレでいられるかを提案するアドバイザーである。
   
◆ケース2「他人に後始末をさせるより、楽しいコトを計画しようよ」
〜問題が起きる前の法律相談を推進する弁護士のコトバ〜
   
ゲームをするとき、攻略本があると便利だよね。
初めて行く観光地でも、ガイドブックがあると迷わない。
日常生活も同じこと。
男女問題や相続、就職や取引などの各場面が想定されたら、先に計画を立ててみませんか。
同じ弁護士を使うなら、「何も問題が起きていない、いま」のほうが絶対お得。
余計な係争に時間と手間を取られることなく、相談と提案だけで済ませられる。
当事務所なら、リスクの提示と同時に、ワクワクするような将来の計画が立てられる。
   
こうした「魔法のコトバ」をテキストという形にできるのが、ライターという専門職です。
上記の例にしてみても、はじめから論点整理ができていたわけではありませんでした。
インタビューを通じて、「真の集客要素」が、次第に紡ぎ出されてきたのです。

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