【第4回】前提イメージが強いと、人は情報を正しく取得できなくなる

付加的なサービスはページを分けて、独立した商材としてアピールする。

ご当地でしか手に入れられないと思っていた「名物弁当」。メーカーの配送ルートによっては、最寄りの売店まで届けてくれる場合があります。
また、クリーニング店の多くでは、靴やカバンといった革製品の補修・修理も扱っています。
このように、便利でありながらも知られていないサービスは、まだまだ存在するはずです。
なぜ、これらのトリビアは、周知されないのでしょう。
   
一因として考えられるのは、「主」たるサービスのイメージが強すぎて、「従」まで目が届かないこと。
せっかくの貴重な情報が、注目されずに埋もれてしまっているのです。
これを防ぐには、「レストランもやっている精肉店」ではなく、「精肉店直営の食堂」として別個にアピールする必要があります。
その根拠として、次の画像をご覧ください。
   
国会議事堂が描かれている10円玉
   
「平等院鳳凰堂」の場所に「国会議事堂」を画いてみたのですが、気付きましたでしょうか。
このように、強烈な前提イメージがあると、脳は、情報を正しく取得できなくなるのです。
もし「国会議事堂」をアピールしたいなら、10円玉とは別のところで行ったほうが良さそうですね。
   
◆ケース1「クーラーと扇風機の併用」
〜電気代という別のテーマが生きたアピール〜
   
【NG例】扇風機の機能はもちろん、クーラーの補助としても有効です。
おそらくこのコピーでは、扇風機というイメージから脱却できなかったでしょう。
「コストの節約」という視差があったからこそ、需要の喚起に結び付けられたのだと考えます。
   
◆ケース2「食べられるラー油」
〜調味料からおかずへのパラダイムシフト〜
   
【NG例】風味が豊かなので、あらゆる食材とマッチします。
はたして、おかずとしてのニーズが掘り起こせたでしょうか。
使い方の提案や新たな切り口を明示できたことが、ヒットにつながったのではないでしょうか。
   
ライターは、情報の適切な伝達手法を熟知しています。
10円玉のそばでは、決して「国会議事堂」をアピールしません。
現行のサービスが埋もれてしまっているのは、もしかしたら、表現手法のミスかもしれないのです。

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