【第8回】文章表記の平準化を図ることが可能な「記者ハンドブック」

業界人必携のツールで、プロと同じような文章を。

例えば、「食べ頃」と「食べごろ」で迷ったことはありませんか。
1箇所だけのミスなら目立ちませんが、同じ文章の中で表記揺れがあると、見ていて気持ちの悪いものです。
   
こうした迷いに対し、「慣用句では『頃』を使い、一般的な『3時ごろ』の場合はひらがな」と教えてくれる便利なツールがあります。
それが、共同通信社の用語集「記者ハンドブック」。
ワープロソフトのATOKに、オプションとしてインストールすることができます。
   
ATOK+「記者ハンドブック」が優れている点は、「紛らわしい表記を統一していこう」というスタンスにあります。
「日本語としての正確さ」にとどまらず、業界の自主的なルールを主眼としているのです。
(以下、ATOK+「記者ハンドブック」の組み合わせのことを「記者ハン」と表記します)
   
その一方、「記者ハン」ユーザーだけが知っている「マイナールール」といった側面も、否定できません。
しかし、多くの記者やライター、メディアなどが基準として用いていますので、ある意味「メジャー」とみなしてもいいのではないでしょうか。
利用したい場合は、Web上からダウンロード購入することが可能です。「記者ハンドブック」などで検索してみてください。

繰り返しになりますが、あくまでも「自主規制」という点にご注意ください。
媒体社が独自の別基準を設けることもあれば、一般的な認識と異なることもあり得ます。
   
土地勘の変換例
   
◆ケース1「土地勘」
〜大手新聞社独自のこだわり〜
   
「記者ハン」が推奨するトチカンは「土地勘」です。
「土地感」を避け、統一を図っています。
ただし、読売系列のメディアは、なぜか「土地鑑」にこだわっているようです。
   
◆ケース2「メインがメーンになって、最終的にメインへ」
〜タテマエよりホンネを重視するムープメント〜
   
ほんの数年前までは、「メーン」を使う動きが主流でした。
なぜなら、「二重母音には『ー』を用いる」というルールが存在していたためです。
メイルではなくメール、ボオトではなくボート。
ところが近年、「実際の使われ方に即した変換」が主流となり、再び「メイン」に変わってきています。
   
「記者ハン」を上手に使えば、プロと同じような言葉遣いをすることができるでしょう。
しかし、平準化は、個性と裏返しの関係にあるのです。
「記者ハン」を入れたことで、かえって悩みの種にならないよう、ご注意ください。
ライターは、日々、この葛藤と闘っています。

   
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