トンチに秀でた一休さんで思い出すのは、「このハシ渡るべからず」のエピソード。
「橋」なのか「端」なのかを明確に定義していなかったため、いわば「抜け道」が生じてしまったのです。
同じようなことは、動画などの音声データでも起こり得ますので、ぜひ注意を払ってください。
意図するところは一つのはずなのに、受け手の行動が二つに分かれてしまっては、ランディング確率を下げてしまうでしょう。
「詳しいことは、役所で調べてみるといい」
「詳しいことは、訳書で調べてみるといい」
「保存するときは、必ず低温に保ってください」
「保存するときは、必ず定温に保ってください」
動画の聞き手には、これらの判別ができません。
あるいは悪意を持って、都合の良い解釈をされる場合もあるでしょう。
特に漢字だけの熟語は、「痩身・送信・喪心」といったように、幾通りものパターンを含みます。
ダイエットなのか、メールのテクニックなのか、自己啓発なのか・・・。
こうしたすれ違いを防ぐには、以下の方法が有効です。
◆ケース1「テロップの活用」
〜話コトバと書きコトバが併用できる、最強のツール〜
同音異義語が文字になっていれば、誤解の恐れはありません。
事実、多くのテレビ番組で使われている、確実な方法といえます。
ささいな言い間違いがあっても、文字レベルでリカバリーできるでしょう。
◆ケース2「カンペ・原稿の用意」
〜同音異義語を、あらかじめクリーニング〜
「特化」なら「専門性に力を入れて」、「特価」なら「お求めやすいお値段で」。
一度文章にしておけば、二義の持たれるワーディングをチェック・排除できます。
ブッツケ本番やアドリブは、可能な限り避けてください。
確かに動画は、メッセージ性の高い手法といえるでしょう。
それだけに、誤ったニュアンスを含んでしまうリスクも高いのです。
「橋が渡れない」と思われ顧客を遠ざけていないか、一度チェックしてみてはいかがですか。