【第35回】新聞の事例研究−その6−「あたる」のひらがな用例

「あたる」がデフォになりつつも、抽選と衝突は漢字の勢いを生かしたい

いまさらですけど、「あたる」の応用範囲って、むちゃくちゃ広いんですね。
はじめて気付きました。
頭と頭があたる、抽選があたる、事にあたる、二番目のケースにあたる、日があたる・・・。
   
きっかけは読売新聞なんですが、ほぼ全てにわたって「あたる」とひらくようです。
じゃあ、他の新聞はどうなんだってことで、「あたる ○○新聞」で検索してみました。
結論からすると、各社の中でもまちまちで、統一しきれていないようです。
   
読売新聞の「あたる」表記
ある意味で読売のほうが統一されている
   
最もバラ付きのあるのは日経新聞で、ほぼ半分半分といったところ。
実際のひらがな用例として、「業務などにもあたる」「5千円分があたる抽選」「官民協調であたる必要性」などが散見されたものの、同じ内容を「当たる」という表記でも書いていました。
   
毎日新聞の場合、基本は漢字派で、ときどきひらがな。
見うけられた例は、「勝者とあたる」「光があたる」「豪華賞品があたる」など。
産経は、ほとんど漢字。
それでも、「渡り鳥の飛来ルートにもあたる」「体重の1割にもあたる餌」なんかがありました。
最も少ないのは朝日新聞。
ざっと調べたところでは、「初戦であたる」の一文しか発見できません。
繰り返しになりますけど、同じ抽選でも、「あたる」だったり「当たる」だったりしているってことです。
   
さて、困りましたね。
変遷期なんでしょうか。
数ある意味合いのうち、どれか一つを「あたる」とするなら、やはり全てで統一したいところです。
一方、ぶつかるの「当たる」と抽選の「当たる」は、漢字の勢いを生かしたいですよね。
とくに、広告のコピーは絶対「当たる」じゃなきゃいかんだろうという気がします。
「あたる」っていわれても、へなへなですしね。
   
暫時、ぶつかると抽選は「当たる」、それ以外は「あたる」。
そう、マイルール化しました。
そのうち表記統一されてくるでしょうから、そうなったら、全面ひらがなにしますか。

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