【第43回】 箇条書きや併置は、語尾の品詞をきちんとそろえる

名詞なら名詞、動詞なら動詞。ゴチャ混ぜ状態を項目化とはいわない。

標題の件。
まずは、好ましくない箇条書きの例です。
   
■おいしいベーカリーの法則
中身がモッチリ、外がカリッツと焼けている
住宅街立地
イートインが完備されている
奥さんが優しい
   
名詞・動詞・形容詞が入り混ざっていますよね。
これでは単なる感想の羅列です、項目の併記ではありません。
私文ならいいですけど、お仕事だったら、品詞をそろえましょう。
   
●名詞の例
中身がモッチリで、外がカリッツと焼けている食感
住宅街立地
イートインの完備
奥さんが優しいこと
   
●文体の例
中身がモッチリ、外がカリッツと焼けている
住宅街に立地している
イートインを完備している
奥さんが優しく対応してくれる
   
シーサーの並列
同種のモノだからこそ、比較ができる
   
次は、一つの文章の中に出てくる併置です。
「や」や「と」でつながれるワーディングも、品詞を統一しましょう。
それだけで、ものすごく読みやすくなります。
逆に、統一されていない文体は不安定で、主語や述語のかかり方がわかりづらくなります。
   
×考慮すべきは、住宅街という立地条件と、そのような店舗が少なくなっているので注意が必要です。
   
途中から項目の併置ではなくなってしまいましたね。
校閲をしていると、こうした文章をかなりの頻度で見かけます。
自分で何をやっているのかわかっていない。
例えば、平文で、
   
住宅街という立地条件を考慮しつつも、そのような店舗が少なくなっているので、よくよく探してみましょう。
   
ならいいんですよ。
そうではなくて、「考慮すべきは」に続く併置を書くなら、品詞を統一してください。
   
○考慮すべきは、住宅街に位置して買い求めやすい立地条件と、そのような店舗が少なくなっているという事実です。
   
箇条書きと文中の併置は、品詞を統一すること。
言われてみれば当たり前なんですけど、いわゆる「ライター」といわれている人でも、できていないことがあります。

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