【第47回】新聞の事例研究−その7−接続詞のひらがな化傾向「たとえば」

「たとえ」と「例」を書き分けることで、それぞれのヨミが可分できる。

接続詞のひらがな化傾向について取り上げるのは、2回目だと思います。
前回、「とくに(特に)」と「じつは(実は)」について紹介しました。
もちろん、最近の紙面はひらがなにしているという意味です。
   
かつては、「即ち」「又は」「及び」なども漢字でしたね。
現在、これらの接続詞は、ひらくのがデフォです。記者ハンでもひらがなを推奨しています。
一方、「とくに」と「じつは」の場合、記者ハンは両方の変換候補を出してきます。
ただ、現場の紙面では大方、ひらがなになりつつあると。
   
そんななか、今回発見したのが「たとえば」。
朝日新聞の記事本文でした。
   
「たとえば」のひらがな用例
接続詞のひらがな化一例
   
たとえには、例え以外にも「喩え」や「譬え」などがあるので、これらを統一しようという意図なのかもしれません。
ただし、「例え」にしちゃうと「ニュアンスが違うっ」と騒ぎ出す人がいるかもしれない。
だったら、ひらがなにしてしまえと。
そうだかどうかは、知りませんが。
   
とりあえず、接続詞としては、たとえば。
ほか、
「たとえ命を失ったとしても」「たとえるなら、味覚の玉手箱」
というような場合もひらくんでしょうね。
記者ハンでも、両方の変換候補を出してきます。
   
他方、「れい」と読ませるケースは、漢字なんでしょう。
「例を挙げるなら」「例のごとく」
この場合の記者ハンは、ひらがなの変換候補を出してきません。
「たとえ」と「例」を書き分けることで、それぞれのヨミがくっきり可分できますからね。
   
以前の記事と重複しますが、記者ハンは「たしかに」「ただちに」なども候補に挙げてきます。
この際、乗っかっちゃいましょう。
とりあえず接続詞は記者ハンを連打しといて、ひらがながあったら、そちらを優先する。
ただ、編集で戻されるってことが、往々にしてあるんですけどね。

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