【第149回】 アフガンとアフガニスタンは別物だった

二義の防止を考えると「アフガン」は封じ手か。

この間、気付いたんですけど、アフガニスタンのことを「アフガン」って書く場合があるんですよ。
これはなんだ?
いつの間にか定着した“謎の習慣”かなにかか?
   
でもまあ、中国だって、中華人民共和国の略ですしね。
ソ連も、ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国。
だから、あまり気にしないでいいのか。
要は、二義を起こさないように意が伝わればヨシと。
それでもね、同じ内容の記事で紙面によって「アフガン」だったり「アフガニスタン」だったりすると、落ち着かないんですよ。
少し、調べてみましょうか。
   
どちらとも取れる紙面の表記例
「アフガン」を使った産経新聞の例、本文では「アフガニスタン」表記
   
そしたらですね、アフガニスタンにいる一部勢力をして「アフガン」と呼ぶこともあるそうです。
一部では、タリバン勢力のことを指すのかな?
なるほどね。アフガニスタンに住む人全員が、同じ勢力ではないわけか。
だから、対アフガニスタン国じゃないよ・・・という意味を込めていると。
水曜は時事じゃないので詳細を省略しますが、たしかにあの辺って、ややこいことになってますもんね。
   
ただ、全ての紙面が意図をもって使い分けているかというと、さにあらず。
同じニュアンスでの揺れが、各紙面でありました。
つまり、アフガニスタンという国の略称としての「アフガン」がまかり通っているということです。
これ、あまりよろしくないなぁ。
完全に二義ですよね。勢力の話なのか国の話なのか、わからなくなっている。
いつもやっている「もつ、持つ」問題より、タチが悪いです。
   
ということで、運用を考えましょう。
まず、アフガンの付く固有名詞は、どうしようもないですね。それが正式名称なのであれば。
一方、国の話をするときは、「アフガニスタン」でしょう。
勢力の話をするときは、なるべく勢力の正式名称。どこの国の勢力なのかを付したいときも、「アフガニスタンの○○」推奨。
アフガニスタンに住む人を表したいなら、「アフガニスタン人」。なお、アフガンそのものにアフガニスタン人の意味があるそうですが、混乱の元となるので使わない。
だから、「アフガン」は封じ手ですね。ソ連、中国が普段使いされているとしてもです。
理由は、二義の防止。
もし、タリバンなどの固有勢力をして「アフガンと呼ぶのだ」機運が満ちてきたら、そのときは再考すると。
とりあえず自分は、これでいきます。
アフガニスタンの記事を書くことなんて、ないと思うけど。

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